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家の神新版 [ 鶴見俊輔 ]のレビューは!?
40代 男性さん
■手塚治虫氏に『ペーター・キュルテンの記録』という短篇があり、むかしよんでずっとあとまで印象にのこった。そのマンガ作品の末尾に、鶴見俊輔氏の本を参考にしたということわりがきがしるしてあった。その参考書が本書だとしって買いもとめた。 ■実によみごたえのある1さつだった。1読したあと、すぐにまた最初からよみかえしたくなったのだが、内容があるためによむのに力がいるとおもい、すぐによみかえすことはおもいなおしてとりやめた。それぐらいよみごたえがあった。 ■血をわけた家族・親子でころしあう、あるいは、あいてが幼児であっても実父・実母がそれをかんたんに殺害するといったできごとの全国各地での頻発が周知のとおりもはや「なんでもない日常」となってからずいぶんひさしいニッポン社会の現在だが、事態がこれほどまでに顕在化し重大視されるようになるよりもはるか以前に「家族」にすでにおきはじめていた亀裂・崩壊など(をまねきうる)おおきな変動の初期微動をたかい知性は鋭敏にとらえて指摘したのが本書であるといえようか。■